# 有機太陽電池の光電流生成に必要なエネルギー条件を体系化～光電流と電圧を両立する「熱力学的境界」を明らかに～

- 引用するときのURL: http://zokuho.com/2026/10/16/%e6%9c%89%e6%a9%9f%e5%a4%aa%e9%99%bd%e9%9b%bb%e6%b1%a0%e3%81%ae%e5%85%89%e9%9b%bb%e6%b5%81%e7%94%9f%e6%88%90%e3%81%ab%e5%bf%85%e8%a6%81%e3%81%aa%e3%82%a8%e3%83%8d%e3%83%ab%e3%82%ae%e3%83%bc%e6%9d%a1/
- 公開: 2026-10-16T10:45:34+09:00
- 分野: 教育・人材

　千葉大学先進科学センターの深川弘彦 特任教授、NHK放送技術研究所、京都大学らの共同研究チームは、有機薄膜太陽電池(OPV)（注1）において、光で生じた励起子（注2）から自由電荷を生成しつつ、電圧損失を抑えるためのエネルギー条件を体系化しました。ドナーとアクセプター（注3）の組み合わせが異なる約40種の素子を作製し、固体状態のエネルギー準位を直接測定して解析した結果、ドナーの光学ギャップ（E_gᵒᵖᵗ）と自由電荷状態のエネルギー（E_cs）（注4）がほぼ一致する条件が、光電流を維持できる実用的な「熱力学的境界」となることを示しました(図1)。さらに、分子骨格が剛直なドナーを用いたOPVでは、電荷移動(CT)状態（注5）の実効CT束縛エネルギー（E_bᶜᵗ˒ᵉᶠᶠ）(注6）が0.1 eV以下となる組み合わせを複数確認し、境界付近でも高い光電流と高い開放電圧を両立しやすいことを明らかにしました。
　本成果は、実測したエネルギー準位から「光電流を生み出す条件」と「電圧損失を抑える条件」を同じ枠組みで設計する指針を与えるものです。
　本研究成果は、2026年10月7日に、国際学術誌Advanced Materialsに掲載されました。
　（論文はこちら：10.1002/adma.75304）

図1：有機太陽電池における光電流生成とエネルギー条件
■研究の背景（詳細は別添参照）

　OPVでは、光を吸収してできた励起子がドナー／アクセプター界面でCT状態を経て、電子と正孔が分離した自由電荷となることで電流が生じます(図1)。従来は、励起子からCT状態へ移るためのエネルギー差が重視されてきましたが（参考文献)、必要な大きさは材料系によって議論が分かれていました。また、このエネルギー差を大きくすると、その分だけ電圧損失が増える可能性があります。本研究では、「エネルギー差をどこまで小さくしても、光電流を維持できるのか」を、エネルギー準位から見積もったE_csを基準に整理しました。

■研究成果のポイント（詳細は別添参照）

1）光電流生成の「境界」を実測エネルギー準位で可視化：ドナーの光学ギャップと自由電荷エネルギー E_csの差が0 eV付近になる条件が、光電流を維持できる実用的な熱力学的境界となることを示しました。

2）光電流と電圧のトレードオフを一つの枠組みで整理：エネルギー差を大きくすると光電流は得やすい一方で電圧を失います。境界付近では、光電流を維持しながら電圧損失を小さくできることを示しました。

3）分子の剛直性と低損失化の関連を確認：剛直なドナーではCT状態の緩和・広がりが抑えられ、実E_bᶜᵗ˒ᵉᶠᶠが金属ハライドペロブスカイトで報告される値に迫る0.1 eV以下の小さい値となる組み合わせを確認しました。

■今後の展望（研究者コメント）

　今回の成果は、特定の材料での高効率化にとどまらず、光電流を保ちながら電圧損失を抑えるための“エネルギーの設計指針”を示した点に意義があります。今後は実用的な混合型OPVなどへ展開して一般性を検証し、将来的な社会実装につながる材料開発の効率化を目指します。

■用語解説

注1）有機薄膜太陽電池（OPV）：有機半導体を用いて光を電気に変換する太陽電池。薄型・軽量で、柔軟な基板にも作製できる。

注2）励起子：励起子は、光を吸収して生じる、電子と正孔が互いに引き合った状態。

注3）ドナー／アクセプター： 電子を与える側（ドナー）と受け取る側（アクセプター）の2種類の有機半導体。ドナーからアクセプターへ電子が移動することで電子と正孔が分離し、電流が得られる。

注4）自由電荷状態のエネルギー（E_cs）： 電子と正孔が十分に分離し、自由電荷として存在する状態のエネルギー。本研究では、ドナーのイオン化エネルギーとアクセプターの電子親和力から評価した。

注5）電荷移動（CT）状態：ドナー／アクセプター界面で電子がアクセプターへ移動すると、電子と正孔が別々の分子上に存在する電荷移動（charge transfer: CT）状態が形成される。

注6）実効CT束縛エネルギー（E_bᶜᵗ˒ᵉᶠᶠ）： CT状態と自由電荷状態とのエネルギー差を表す指標。値が小さいほど、CT状態のエネルギーが自由電荷状態に近いことを意味する。本研究では、自由電荷エネルギー（E_cs）と発光スペクトルから評価したCT状態の実効エネルギーとの差として求めた。

■論文情報

タイトル： A Unified Thermodynamic Framework for Photocurrent Generation and Voltage Losses in Organic Photovoltaics

著者：Hirohiko Fukagawa, Taku Oono, Yusuke Aoki, Tsubasa Sasaki, Haruto Shoji, Manato Tateno, Seita Kyogoku, Shintaro Mitsui, Hisao Ishii, Feiran Liu, Takuji Hatakeyama, and Takahisa Shimizu

雑誌名：Advanced Materials

DOI：10.1002/adma.75304

■参考文献

タイトル：Anatomy of the Energetic Driving Force for Charge Generation in Organic Solar Cells
雑誌名：nature communications

DOI：10.1038/s41467-019-10434-3

■研究プロジェクトについて

　本研究は、科学技術振興機構（JST）CREST（JPMJCR22B3）、日本学術振興会（JSPS）科研費（24K23071）、JKA競輪補助事業（2025M-340）の支援を受けて実施されました。

添付資料はこちら

d15177-1260-6d5580c9ed641aa4b1bb64ebf64b9848.pdf

本記事は、国立大学法人千葉大学が2026年10月15日にPR TIMESで発表したプレスリリースを原文のまま掲載しています。
元のリリース：有機太陽電池の光電流生成に必要なエネルギー条件を体系化～光電流と電圧を両立する「熱力学的境界」を明らかに～

引用・要約するときは、見出しと公開日時、上の記事URLを残してください。
