# 「溶けやすく、固まりやすく、よく光る」加工性と結晶性を両立する高発光性の有機レーザー媒質を開発

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- 公開: 2026-10-20T10:12:28+09:00
- 分野: 教育・人材

　高知工科大学理工学群の松尾 匠助教（現・学習院大学理学部化学科）、林 正太郎教授、大阪公立大学大学院工学研究科の大垣 拓也特任助教、池田 浩教授らの研究グループは、有機単結晶レーザー媒質（*1）に求められる加工性、結晶性、高い発光量子収率（*2）を同時に併せ持つ材料の設計手法を提案しました。
　本研究成果は、９月28日、米国化学会の学術誌「Chemistry of Materials」に掲載され、同誌のSupplementary Cover（*3：副表紙）にも選出されました。

【研究成果のポイント】

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トレードオフの解消：有機単結晶レーザー媒質において従来課題とされていた「加工性の向上」と「高い結晶性の維持」という相反する関係（トレードオフ）を克服する分子設計手法を開発しました。

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性能の飛躍的向上：分子間CH–π相互作用（*4）を阻害する位置にメトキシ基（*5）を導入した結果、元の分子に比べて溶解度が約19倍に向上し、単結晶の発光量子収率も53%から81%へと大幅に上昇しました。

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熱で溶かすことで「光る文字」や「薄い膜」を作成可能に：溶融加工（熱で溶かして固める手法）により、ガラス上への発光文字の作成や結晶膜の形成に成功し、加工後の膜においても光増幅現象（増幅自然放出：ASE（*6））を確認しました。

図1　研究の概要。メトキシ基の導入位置によって分子間相互作用を制御し、加工性、結晶性、高い発光量子収率を両立。ASEは増幅自然放出を表します。

【研究の背景】

　有機固体レーザーは、次世代の高輝度光機能媒質として期待されています。中でも有機単結晶レーザーは、分子が長距離にわたって規則正しく並ぶことにより、少ない励起エネルギーで発振できる可能性があります。しかし、結晶性を高めるために分子間の結びつきを強くすると、溶媒に溶けにくく、溶融加工もしにくくなります。一方、加工性を高めると結晶を形成しにくくなる場合があり、両者はトレードオフの関係にあります。レーザー媒質には高い発光量子収率も必要であり、この3つを同時に満たす材料設計が課題でした。

【研究の内容と成果】

　レーザー媒質として広く研究されているジスチリルベンゼン（DSB）とチオフェン／フェニレンコオリゴマー（TPCO）を対象に、分子間CH–π相互作用を阻害する位置へメトキシ基を導入する結晶工学の戦略を検証しました。DSB骨格の末端ベンゼン環に４つのメトキシ基を導入した4OMe-DSBでは、CH–π相互作用に支えられた従来の分子配列が変化し、ジクロロメタンへの溶解度はDSBの約19倍に向上し、融点は267.6 ℃から172.5 ℃へ低下しました。一方、メトキシ基が関わる水素結合のネットワークが結晶構造を支え、ミリメートル級の単結晶を形成しました。さらに、分子配列の変化に伴って励起状態から光を放出する速度が増加し、溶液から育てた単結晶の発光量子収率は81%となり、DSBの既報値53%を上回りました。4OMe-DSBを加熱して溶融し、発光する文字や結晶膜へ加工し（図2）、加工後の結晶膜でも、光増幅を示す増幅自然放出（ASE）を確認しました。また、TPCOの一種であるPTPTPに同じ設計を適用したところ、溶解度が約6倍に向上し、単結晶の形成と発光量子収率の増加も確認できました。

図2　4OMe-DSBの溶融加工。（a）ガラス上に書いた発光文字。（b）ゆっくり冷却して作製した結晶膜。（c）急冷して作製した結晶膜。スケールバーは（a）1 cm、（b、c）1 mm。

【今後の展望】

　本成果は、加工性と結晶性を両立し、高い発光量子収率を備えた有機レーザー媒質を設計する指針となります。今後、溶液や溶融状態からの加工を活かした微小光源、光増幅器、光集積デバイスへの展開が期待されます。

【用語解説】

*1）有機単結晶レーザー媒質
分子が全体として規則正しく整列した有機化合物の結晶で、レーザー光を生み出す材料のこと。有機物ならではの多様な発光特性を持ち、分子が整然と並んでいるため光のロスが少なく、少ないエネルギーで効率よくレーザー発振できる次世代の高輝度・高性能な光機能材料として期待されている。

*2）発光量子収率
吸収した光子数に対する、放出した光子数の割合。発光効率の指標。

*3）Supplementary Cover（副表紙）
学術誌の各号において、掲載論文の中から特に優れた成果や革新的な研究として編集部に選出された論文に与えられるグラフィック表紙（カバーアート）。

*4）分子間CH–π相互作用
ある分子の炭素と水素の結合（CH）と、別の分子の芳香環に広がるπ電子との間に働く引力。結晶中の分子配列に影響する。

*5）メトキシ基
酸素原子とメチル基からなる官能基（−OCH₃）。導入する位置によって、分子間相互作用や分子の並び方を変えることができる。

*6）増幅自然放出（ASE）
励起された分子が発した光が、他の励起分子からの光の放出を促す「誘導放出」によって増幅される現象。

【研究資金】

　本研究は、JST創発的研究支援事業（JPMJFR211W）、日本学術振興会科学研究費助成事業（基盤研究（B）：24K01574、26K01585、若手研究：22K14671）、高橋産業経済研究財団およびマツダ財団の研究助成を受けて行われました。

【論文情報】

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タイトル：Crystal Engineering by Tuning Intermolecular CH–π Interactions Enables Processable and Highly Emissive Organic Crystals as Laser Media　(和訳：分子間CH–π相互作用の制御に基づく結晶工学により、加工性と高発光性を備えた有機結晶レーザー媒質を実現)

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著者：Takumi Matsuo, Takuya Ogaki, Yuto Hino, Keigo Yano, Hiroshi Ikeda,Shotaro Hayashi

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掲載誌：Chemistry of Materials

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公開日：2026年９月28日

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DOI：10.1021/acs.chemmater.6c01004

本記事は、高知工科大学が2026年10月19日にPR TIMESで発表したプレスリリースを原文のまま掲載しています。
元のリリース：「溶けやすく、固まりやすく、よく光る」加工性と結晶性を両立する高発光性の有機レーザー媒質を開発

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