# 大船渡の被災木「強度は健全木と遜色ない」　岩手県が新宿で利用促進セミナー、11月には現地視察会

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- 公開: 2026-11-02T16:18:58+09:00
- 分野: 環境・エネルギー

2026ミス日本みどりの大使 永田愛実氏

林野火災の被災木をどう使うか、都市側と考える場に

森林・林業・木材分野でITビジネスを展開する株式会社森未来（本社：東京都港区、代表取締役：浅野純平）は、岩手県から「令和8年度林野火災復旧関連木材利用促進PR業務」を受託しています。令和7年（2025年）2月に発生した大船渡市林野火災からの復旧に向け、被災木利用の普及・啓発に取り組んでいます。その一環として、2026年7月24日（金）13:30～15:30に岩手県主催の「岩手県 林野火災・被災木利用セミナー in MOCTION－木づかいで繋がる、林野火災からの森林再生－」が開かれ、同社が企画・運営を担当しました。会場は新宿パークタワー リビングデザインセンターOZONE 5階セミナールームで、会場参加とオンライン配信を組み合わせたハイブリッド形式で行われました。総合司会は2026ミス日本みどりの大使の永田愛実氏が務め、当日の様子は大手新聞社や地元のテレビ局など複数のメディアでも報じられました。

大船渡市の林野火災では森林被害面積が3,370haに及び、昭和39年以降で国内最大規模の延焼となりました。1名が亡くなったほか、家屋や農林水産業の施設にも被害が出ています。2026年4月には、隣接する大槌町でも大規模な林野火災が発生しました。森林を再生するには、被災木の伐採・搬出とその後の再造林が欠かせません。しかし、大量に発生する被災木の販売先・利用先の確保が大きな課題となっています。今回のセミナーは、この被災木の「出口づくり」を、都市の設計者やデザイナー、環境経営を重視する企業とともに考える場として企画されました。

岩手県知事 達増拓也氏

知事・市長・県が示した復旧の現状と課題

開会にあたり、岩手県知事の達増拓也氏があいさつに立ちました。達増氏は、県が「森の国、木の街づくり宣言」や「いわて木づかい運動」などを通じ、官民一体で県産木材の利用を進めてきたことに触れました。そのうえで「森林が持つ多面的機能の早期回復に加え、防火機能の強化や新たな価値の創出という視点を持ちながら取り組むことが重要」と述べました。企業や森林組合などで構成する「TEAM森林再生大船渡」が設立されるなど、官民連携による利活用の動きが広がっていることも紹介しています。最後に、林野火災による被害、被災木の利活用、森林再生という3つの視点から学びを深め、森林再生支援の輪が広がることへの期待を語りました。

続いて登壇した大船渡市長の渕上清氏は、「令和7年大船渡市大規模林野火災等に係る森林再生計画」に基づく復旧の進捗を報告しました。市有林では2026年4月から一部で跡地造林を実施し、私有林でも境界確認作業に着手しているといいます。また、被災木材を使用した建築工事への補助金を今年5月に創設したことも紹介しました。この補助金は被災した漁業者の作業小屋の再建にも使え、他の補助金との併用も可能です。渕上氏は「すでに木材流通が確立している業界の中に、被災木をどう組み込むかは我々だけでは踏み込めない。専門家の皆様のお力添えが必要」と述べ、協力を呼びかけました。

岩手県農林水産部林業振興課の鈴木善之氏は、被災木の供給を円滑にするため、製材所や木質バイオマス発電所への調査、現地検討会などを実施してきたことを説明しました。被災木を利用する必要性については、森林所有者の利益、時間経過による材質低下、倒木などの危険除去、災害復旧事業の円滑な実施という4つの視点から整理しています。特に、京都大学・東北大学と連携した強度試験で「被災木の強度は健全木と遜色ない」ことを科学的に証明できた点が、流通促進にとって重要だと報告しました。一方で、大規模な復旧事業が進むにつれて被災木が供給過多になる可能性も見据え、県内外でのイベントなどを通じて継続的に需要を喚起する必要性を強調しました。

大船渡市長 渕上清氏

研究者と事業者が報告した被災木利用と森林再生の最前線

時間とともに「危険木」化、早期の伐採・利用を

千葉大学 環境リモートセンシング研究センター 准教授の峠嘉哉氏は、「林野火災後の被災森林の変遷とリスク管理」と題して報告しました。2017年に発生した釜石市尾崎半島の林野火災跡地について、8年間の変化を衛星解析と地上での実測データから紹介しています。焼損した針葉樹は、焼損度が高いほど数年をかけて枯死し、「危険木」になっていきます。片面だけが焼けた木も構造的に弱くなり、「チェーンソーを入れることすら考えられない状態」になり得ることを、釜石の定点写真で示しました。危険木とは、倒れた場合に樹高と同等の距離の範囲にある建造物や公共施設などに被害を与えるおそれがある樹木を指します。人工衛星では捉えにくい中程度の焼損域については、地域住民とともにデンドロメーターによる地上モニタリングを進めているといいます。峠氏は「こうなる前に、被災木を利用しながら切っていく必要がある」と訴えました。あわせて、市民生活の安全が確保されるよう、生活圏では対策が進められていることも強調しました。

焼損度にかかわらず、ほとんどが集成材JASの基準を満たす

岩手県林業技術センター 首席専門研究員の谷内博規氏は、「林野火災・被災木の力学特性について」と題して報告しました。鎮火から3カ月が経過した大船渡市有林の被災木を、焼損度別（低・中・激）に伐採・製材し、曲げ強度などを測定した結果を紹介しています。谷内氏は「焼損の多くは樹皮の炭化にとどまり、皮を剥ぐと中は健全材と変わらない」と説明しました。測定の結果、焼損度によらず、ほとんどが集成材JASの基準を満たすことがわかりました。一方で、焼損度が高いほど樹皮が薄くなり、乾燥による干割れや、キクイムシなどによる虫害のリスクが高まることにも触れています。そのうえで「水分や腐朽など材質変化の推移を把握したうえで適切な管理・選別を行えば、被災木は有効活用できる」と述べ、今後も調査を続ける方針を示しました。

丸の内の高層木造ビルの仮設休憩所で被災木合板を採用

「TEAM森林再生大船渡」発起人メンバーで、物林株式会社 社長室 新事業推進部 部長の勝田幸仁朗氏は、「被災木で現地と企業をつなぐTEAM森林再生大船渡の取組」を報告しました。チームの出発点は、「本当にこの木は使えないのか」という素朴な疑問でした。森林組合や合板・素材流通企業など6社が集まり、行政の強度試験と並行して、民間主導で合板の試作を始めたといいます。現在は約20社が参加し、大船渡の被災木を通じて川上・川中・川下それぞれの需要と供給をつなぎながら、さまざまな課題の解決を模索しています。被災木では、合板・LVL・製材品・羽目板・造作材など、通常のスギ材で作られるほぼすべての製品を製造できることが確認されています。具体例として、東京・丸の内で2028年完成予定の高層木造ビル（東京海上日動火災新本店ビル）の仮設休憩所で、被災木を使った合板約1,200平米がいち早く採用されたことを紹介しました。勝田氏は「注目されるプロジェクトで木材を使っていただけたことは、我々にとって大きな一歩」と語りました。

企業との協働と森林の集約で担い手を広げる

青葉組株式会社 代表取締役の中井照大郎氏は、「企業との協働による林野火災からの森林再生」を報告しました。青葉組は、伐採・下刈り・植林など造林を専門とする企業です。栃木・茨城・新潟に加え、2026年4月には大船渡にも拠点を開設し、3名体制で活動を始めています。スギに加えて広葉樹の植栽にも力を入れ、地表の保水力を高めて延焼しにくい森林づくりを進めているほか、企業からの資金協力を植林・森林管理につなげる仕組みも紹介しました。卓球用品メーカーの株式会社タマス（Butterfly）と組んだ北関東での事例を挙げ、大船渡でも企業と森をつなぐ「関わりしろ」を広げていく考えを示しています。また、山林所有者から森林を長期で預かる一般社団法人「大船渡・森の再生」を新たに設立したことも報告しました。2026年7月時点の引き取り実績は38名・168筆・約138haです。小規模で管理が難しい森林を集約することで、将来にわたって手入れが行き届く体制づくりを進めているといいます。

岩手県農林水産部林業振興課 鈴木善之氏

供給の実情を共有、11月には首都圏の関係者向けに現地視察会

報告の後、手塚さや香氏をコーディネーターにパネルディスカッションが行われました。手塚氏は復興支援員として釜石地方森林組合で活動し、2017年の釜石市林野火災の復旧にも携わった経歴を持ちます。2026年2月には著書『つなぐ森林業　海のまちの森林組合 、復興からその先へ』を出版しています。冒頭で手塚氏が「木を使うことに関心がある方」「山の再生に関わっていきたい方」「その他、林業自体に関心がある方」と会場に挙手を求めると、いずれの問いにも多くの手が挙がりました。この結果からは、設計・建築・家具関連企業や、CSR・環境経営に関心を持つ企業担当者など、被災木利用を具体的に検討し得る層が多数参加していたことがうかがえます。議論では、供給側の実情も共有されました。1haのスギ林から出る木材は約300m³（大型トラック約30台分）ですが、実際に製材品として供給できる量には限りがあり、「山に素材はあっても、明日すぐ大量にほしい、という要望には応えきれない」といいます。木を伐ってから製品になるまでには、短くて2カ月、長ければ半年ほどかかります。そのためパネラーからは「使いたいと思ったら、できるだけ早い段階でTEAM森林再生大船渡（事務局：気仙地方森林組合）に相談してほしい」との呼びかけがありました。さらに、林野火災が頻発する三陸地方の地域特性を踏まえ、燃えにくい樹種の植栽や、都市部の人が現地に足を運んで森林と関わり続けることの大切さについても意見が交わされました。

セミナーの最後には、次のステップとして11月に開催する「現地視察会」が案内されました。対象は首都圏の設計士・ゼネコン・発注者など約20名で、1泊2日の日程で盛岡から大船渡・陸前高田周辺を巡ります。予定されている主な訪問先は次のとおりです。

- 林野火災の被災現場

- 被災木を加工する製材所

- 被災木を使って建設が進む店舗

- 東日本大震災津波伝承館など、地域材を生かした復興建築

現地の空気や木材に直接触れてもらうことで、被災木利用への理解と機運をさらに高める機会にしたい考えです。詳細はeTREEのイベントページで確認できます。森未来は今後も岩手県とともに、被災木の利用を通じて大船渡の森林再生を後押しする取り組みを進めるとしています。

出典：森未来

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