豊田通商株式会社と東邦ガス株式会社は、両社が共同で提案した「サトウキビ残渣由来バイオガス製造実証事業」が、経済産業省の令和7年度補正「グローバルサウス未来志向型共創等事業(大型実証 非ASEAN加盟国)」に採択されたと発表しました。両社は採択を受けて準備を進め、2028年7月の実証開始を目指します。
この補助事業は、グローバルサウス諸国の市場活性化と日本との経済連携の強化を目的としたものです。日本企業が実施する大型実証にかかる費用の一部が支援されます。
サトウキビ生産量世界第1位のブラジルに着目
実証の舞台となるブラジルは、サトウキビの生産量で世界第1位を誇り、バイオガス生産のポテンシャルが非常に高いと考えられています。有機性資源(バイオマス)から発生するバイオガスは、既存の都市ガスインフラを活用できるため、追加的な社会コストを抑えながらカーボンニュートラルの実現に貢献するエネルギーとして期待されています。
こうした背景から、豊田通商と東邦ガスはブラジルのパートナーとともに、同国でのサトウキビ残渣由来のバイオガス生産実証に向けた共同開発契約を締結しました。これまで、実証プラントの建設・運営に向けた検討を進めてきました。
未利用残渣を原料に、独自の製造プロセスを構築
今回の実証では、未利用のサトウキビ残渣を原料とする独自のバイオガス製造プロセスを構築します。狙いは、一つのシュガーミル(サトウキビから砂糖やエタノールを製造する工場)におけるバイオガス生産量の向上です。未利用残渣を活用して生産量拡大に向けた技術検証を行うのは、両社にとって初めての取り組みとなります。
実証の主なポイント
- 実証プラントはブラジルのパートナーのシュガーミル敷地内に建設
- 原料の回収から前処理、発酵に至る一連の製造プロセスで、バイオガスの大規模生産の可能性を検証
- 1日あたり5,000m³規模での実証運転を通じ、大規模生産に必要な運転条件や各種データを取得
- 今後、株式会社みずほ銀行などとともにブラジルに特定目的会社(SPC)を設立
- 2028年7月の実証開始を目指し、実証期間は2030年1月頃までを予定
両社は補助事業の活用で実証を加速させ、大規模生産に必要な知見の早期獲得を図ります。あわせて、ブラジル国内のモビリティ燃料向け需要を見据えた取り組みを進め、将来的には日本向け輸出も視野に入れながら商業化の実現を目指すとしています。
両社が描く脱炭素への道筋
豊田通商は、アフリカ、インド、南米を成長市場と位置付ける「ゴンドワナ経済圏戦略」を推進しています。今回の実証を通じてブラジルでのバイオガスの生産・供給モデルの確立を進め、将来的には豊富なバイオマス資源を持つゴンドワナ経済圏各国への展開も視野に入れ、脱炭素化と経済成長の両立に貢献していく考えです。
一方の東邦ガスは、2050年のサプライチェーン全体でのカーボンニュートラル実現を目標に掲げています。足元からの低炭素化を推進するとともに、バイオガスを含む複数の手段で供給エネルギーのカーボンニュートラル化を進めており、これまでに培った技術と知見を活かして多様なソリューションを提供し、地域・顧客とともにカーボンニュートラル社会の実現に取り組むとしています。
出典:豊田通商株式会社