荒川区は2026年10月28日、公益財団法人古紙再生促進センター関東地区委員会、関東製紙原料直納商工組合、荒川区リサイクル事業協同組合の3団体と、「雑がみのリサイクル促進に向けた啓発活動に関する協定」を結びました。古紙再生促進センターが同じ趣旨で自治体と連携するのは名古屋市、札幌市に続くもので、東京23区では初めてです。

燃やされている「雑がみ」を資源に戻す
家庭や事業所から出る紙には、お菓子の紙箱やプリント類、包装紙など、資源として再生利用できる「雑がみ」が含まれています。しかし、リサイクルできることや分別の方法が十分に知られておらず、可燃ごみとして出されてしまう場合もあります。
協定の目的は、区民一人ひとりと区内事業者に対してリサイクル行動の変化を促す啓発活動を進め、循環型社会の形成に寄与することです。「これも資源になるのか」「これなら自分にもできそう」という気づきを、実際の分別や回収への参加につなげ、可燃ごみの削減と地域の資源循環を目指します。
区長「知ることを行動に移す第一歩に」
締結式で荒川区の滝口学区長は、東京23区全体でごみ減量が課題となる中、リサイクルできる雑がみがいまだに燃やされている現状に触れました。そのうえで、関係団体が積み重ねてきた知見を区民への啓発に生かす意義を述べました。
滝口区長は、夏休み明けに荒川区立第三日暮里小学校で行われた雑がみ回収の取り組みを訪れた経験も紹介しました。お菓子の箱などがリサイクルできることや、「雑がみ」という区分そのものが十分に知られていないと指摘し、「この協定を機に、可燃ごみを減らし、リサイクルを進める取組を加速していきたい。雑がみについて知ることを、実際に行動に移していくための第一歩にしていきたいと考えています」と話しました。

4者の強みを組み合わせた参加・体験型の啓発
協定の概要を説明した荒川区清掃リサイクル推進課長の笠原武能氏は、主な連携内容として次の3点を挙げました。
- 雑がみの分別および回収促進に関する啓発活動
- 教育機関・地域団体・事業者などと連携した参加型・体験型啓発の推進
- 啓発活動に関する情報共有および情報発信
取り組みには、行政が持つ地域とのつながり、センターの啓発資材や専門的知見、古紙業界のネットワーク、地域の回収・リサイクル現場の経験を生かします。今後は4者で意見を交わしながら、地域の実情に合った取り組みを具体化していく方針です。既存の環境施策や地域活動に各者の資材・知見・ネットワークを組み合わせ、行政の負担をできる限り抑えつつ、取り組みやすいところから始めるとしています。区民や事業者の声にも耳を傾け、小さな実践を積み重ねていく考えです。

「地域循環共生社会づくりモデル」としての展開へ
いつもはごみにしていた紙を資源として分けてみる、子どもが知ったことを家庭で話してみる、職場での分別を少し見直してみる。古紙再生促進センターは、こうした小さな行動がごみを減らし、資源を次につなぐ力になるとしています。そのうえで、紙リサイクルを起点に、行政、地域、事業者、教育機関などがつながる「地域循環共生社会づくりモデル」の実践としてこの協定を育て、暮らしに根づく雑がみ分別と資源循環の広がりを目指すとしています。
古紙再生促進センターの川上正智専務理事は、「一人ひとりが環境区民のまち あらかわ」の実現に向け、雑がみ分別という身近な実践から協力できることへの喜びを表明しました。地域に根づく活動や広報に「雑がみさまを探せ!」をはじめとするセンターの啓発資材や知見を重ね、行政の負担を抑えながら小さな試みを積み重ねていくとしています。さらに、荒川区で育まれる工夫が、同じ課題に向き合う各自治体にとって「今ある取組に、少し加えることから始められそう」と感じるきっかけになればとの期待も述べました。