一般財団法人 篠原欣子記念財団(しのはら財団)は、厚生労働省の後援を受けて開催している「ケアテック・イノベーション・コンテスト 2026」で、本年度の審査員4名が出演する動画を公開している。視聴できるのは、オンライン説明会の参加者に限られる。応募締切の2026年11月24日(火)午前9時まで約1カ月となるのに合わせた取り組みだ。同コンテストは、ケア領域の課題解決に取り組むアイディアや研究・開発を募集している。
動画では、審査員が応募書類のどこを読み、何を重視するのかを自らの言葉で語っている。U-18部門向けのワークシート「ひらめきボード」の使い方も解説している。視聴の対象は、オンライン説明会に参加し、終了後のアンケートに回答した人となる。

全部門共通の「5つの審査観点」を審査員が解説
同コンテストでは全部門に共通して、5つの観点から審査を行う。観点は、①課題との接続、②障壁への対応、③対象者への適合、④実行の道筋、⑤成果の社会還元だ。動画では、これらの観点が実際の審査でどのように読まれるのかを、審査員自身が具体的に説明している。出演する審査員は次の4名(五十音順・敬称略)。
- 狩野 光伸(岡山大学 副理事/ヘルスシステム統合科学学域 教授)
- 太原 有理(株式会社ケアリッツ・アンド・パートナーズ 取締役)
- 深津 幸紀(薬剤師、弁護士、小説家、キャピタリスト)
- 宮本 隆史(株式会社善光総合研究所 代表取締役社長)
限定公開の動画は全4本
動画は全4本で、限定公開となっている。このうち『審査員は、何を見ているのか』では、審査員4名が2組に分かれて出演する。全部門共通の5つの審査観点が、実際の審査でどう読まれるのかを語る内容だ。各動画のテーマは以下の通り。
- 「審査員は、何を見ているのか(太原×深津)」:「儲かる計画でなくても落とされない」という前提から話を始める。助成事業として問われるKPIの置き方や、「何でもAI」に頼らず機能を絞る考え方までを取り上げる。
- 「審査員は、何を見ているのか(狩野×宮本)」:研究者と介護の実務家の立場から語る。テーマは、3部門それぞれで何を見るか、エビデンスはどこまで必要か、伝わる書き方と「利他」の捉え方、費用対効果、提出動画のつくり方まで。ひらめきボードの使い方の解説も収録している。
- 「値札の、ついていないもの(太原×深津)」:効率化だけでは拾えない「声なき声」や、家族が担えば0円になる介護など、値段のつかない価値がテーマ。ケアテックがそれにどう向き合うかを、点字ブロックの誕生を例に語る。
- 「ケアは、なぜ市場にならないのか(太原×深津)」:「介護は儲からないので投資しない」と言われる背景を読み解く。切り口は、データの揃いにくさ、払う人・決める人・受ける人が別々という構造、海外モデルを持ち込めない理由の3つ。

U-18部門向け「ひらめきボード」の使い方も紹介
ひらめきボードは、頭の中の気づきを言葉にしていくためのワークシートだ。「困りごとを見つける」から「試してみる」までの5つのステップに沿って、問いに答えていく形式になっている。各ステップの問いは応募フォームの項目とほぼ同じ文言で構成されており、ボードを埋めていく作業がそのまま応募内容の下書きになる。
動画では、手が止まりやすいステップと、そのときの考え方を審査員が紹介している。保護者や教員が子どもの考えを引き出す際の声かけについても取り上げている。U-18部門への応募を検討している児童・生徒だけでなく、保護者や学校・施設の職員も視聴できる内容だ。ひらめきボードは、コンテスト公式Webサイト内のリンクから誰でも無料でダウンロードできる。
視聴方法・説明会日程と募集概要
動画を視聴するまでの流れは次の通り。
- コンテスト公式Webサイトの「オンライン説明会に申し込む」から申し込む
- オンライン説明会に参加する
- 説明会終了後のアンケートに回答する
- アンケート回答後に表示されるURLから視聴する
今後のオンライン説明会は、以下の日程で開かれる。形式はオンライン、参加は無料で、事前申込制となっている。申し込みは、コンテスト公式Webサイトの「オンライン説明会に申し込む」から受け付けている。これまでの説明会で寄せられた質問と回答は、Q&Aリストとして公式Webサイトで公開されており、随時更新される。
- 11月4日(水)17:00~17:30
- 11月11日(水)17:00~17:30
- 11月15日(日)9:00~9:30
- 11月18日(水)17:00~17:30
コンテストの募集概要は以下の通り。
- 名称:ケアテック・イノベーション・コンテスト 2026
- 主催:一般財団法人 篠原欣子記念財団
- 後援:厚生労働省
- 応募期間:2026年8月31日(月)~2026年11月24日(火)午前9時
- 募集部門:プロトタイプ部門/シン・アイディア部門/U-18部門
- 応募方法:コンテスト公式Webサイトから受付
- 2026年12月4日(金):一次審査結果通知(全部門)
- 2027年1月15日(金):二次審査結果通知(プロトタイプ部門)、最終審査結果通知(シン・アイディア部門、U-18部門)
- 2027年2月6日(土):最終審査会(プロトタイプ部門)・表彰式(全部門)、会場はWITH HARAJUKU HALL(東京都渋谷区神宮前)
しのはら財団は、「人々の可能性や幸せ=Well-beingの最大化」をミッションに掲げている。奨学金、助成金、研究支援等を通じて、年齢や立場を問わず社会課題の解決に取り組む人々を支援している。あわせて、AIやテクノロジーを活用した新たな社会の仕組みづくりにも取り組む。同コンテストは、ケア領域における科学技術の振興を目的とした公益事業だ。その成果が不特定かつ多数の人々の暮らしに届くことを目指している。