蓄電システムの企画・設計から運営までを手がけるジャパンブランディング株式会社(本店:愛知県犬山市)は、2026年11月下旬に「系統用蓄電池」をテーマとしたウェビナーをオンラインで開催する。同社はGUS Technology(格斯科技)蓄電池の日本総代理店を務めている。ウェビナーでは、再生可能エネルギーの普及に伴って導入が急拡大する系統用蓄電池について、電池の種類であるLFP(リン酸鉄リチウム)とNMC(三元系)の違いを読み解く。
同じリチウムイオン電池でも、構造と性能に大きな差
系統用蓄電池の分野では、同じリチウムイオン電池の中でもLFPが主流となりつつある。LFPはリン酸を骨格とする「オリビン型構造」を持ち、熱安定性に優れる。これに対しNMCは「層状岩塩構造」で、エネルギー密度は高い。ただし、コバルトなどのレアメタルを使うため、安全性とコストの面ではLFPに劣る。
性能指標を比べると、エネルギー密度はLFPが170Wh/kgにとどまり、NMCは350Wh/kgと大きく上回る。一方、サイクル寿命はLFPが2,000~6,000回、NMCが800~2,000回で、LFPが優位に立つ。安全性評価もLFPが「高い」とされるのに対し、NMCは「標準」にとどまる。
系統用でLFPが選ばれる理由と次世代技術LMFP
EVと違い、系統用蓄電池は重量やサイズの制約を受けない。そのため、LFPの安定性とコスト優位性がより重視される。国内のコンテナ型システムでも、LFPが明示的に指定され、8,000サイクルの耐久性を実現している例がある。
20年運用を前提とするプログラムでは、LFPの長寿命が電池交換のリスクを大きく減らす。さらにLFPはレアメタルを必要としないためコスト面でも優位で、中国メーカーによる採用拡大がその市場地位を強めている。近年は、鉄の一部をマンガンに置き換えたLMFPも、次世代技術として中国の生産現場で開発が進む。LMFPは、LFPのコストと安全性を維持しながら、エネルギー密度を15~20%高めるものだ。
ウェビナーで取り上げる5つのトピック
同社は、系統用蓄電池への参入や投資を検討するうえで、LFPとNMCの違いを正しく理解しておくことは欠かせないとしている。ウェビナーでは、この基礎かつ本質的なテーマを、次のトピックに沿って解説する。
- LFPとNMCの結晶構造の違い:LFPの「オリビン型構造」とNMCの「層状岩塩構造」という根本的な違いと、それぞれの特性を整理
- エネルギー密度とサイクル寿命:LFP170Wh/kg・2,000~6,000回、NMC350Wh/kg・800~2,000回という性能指標を比較し、系統用蓄電池でどちらが有利かを解説
- 系統用でLFPが選ばれる理由:EVと異なり重量・サイズの制約を受けない系統用蓄電池で、LFPの安定性とコスト優位性が重視される理由を紹介
- コスト面の優位性:コバルトなどのレアメタルを必要としないLFPのコスト優位性と、中国メーカーによる採用拡大の動向を解説
- 次世代技術LMFP:鉄の一部をマンガンに置き換え、LFPのコスト・安全性を維持しながらエネルギー密度を15~20%高めるLMFPの開発動向を紹介
開催日時は2026年11月下旬の19:00~20:00(予定)。Zoom等のウェビナーツールを使ったオンライン形式で行い、参加費は無料(事前登録制)。申し込みは、同社公式サイトの申込フォームまたは公式LINEから受け付ける。
主催企業の代表と今後の展開
同社代表取締役の前田雄吉氏は、1960年愛知県生まれ。慶応義塾大学法学部を卒業後、松下政経塾5期生として松下幸之助氏に直接師事し、ロータリー財団奨学生としてオーストラリア国立大学大学院に留学した。2000年に衆議院議員に初当選し、以後3期10年にわたって脱炭素政策・エネルギー政策の推進に取り組んだ。退任後はウエストホールディングス株式会社の顧問を歴任し、一般社団法人全国太陽光発電推進協議会の最高顧問に就任。現在はモンゴル政府と協議のうえ、「日蒙未来創生プロジェクト」(70MWメガソーラー→400MWh蓄電所)を推進している。
同社は今後も、GUS Technology蓄電池の日本総代理店として、系統用蓄電池を軸とした電力インフラ事業について、制度や市場の動向を踏まえた情報発信を続ける方針だ。本テーマに関するウェビナーや解説コンテンツの提供を通じて、事業者や投資家の意思決定を支援していくとしている。