自宅型がんリスク検査キット「bluedrop」を手がけるBlue Industries株式会社(本社:東京都墨田区、代表取締役:久慈 隆介)は、2026年10月18日(日)13時10分から、第20回日本薬局学会学術総会で共催デザートセミナー(デザートセミナー6)を開催した。テーマは「がん早期発見の現在地と新たな検査技術 ―がん検診の課題と、薬局・薬剤師に期待される役割―」。
講師は順天堂大学 革新的医療技術開発研究センター 先任准教授の奥澤淳司氏、座長は慶應義塾大学名誉教授の望月眞弓氏が務め、多くの薬剤師が参加した。会場では、がん検診の現状と課題、尿を使ったリキッドバイオプシーの可能性、地域の薬局・薬剤師ががんの早期発見で担える役割について議論が交わされた。
奥澤氏は同センターの副センター長を務め、Blue Industriesの技術顧問でもある。1993年に順天堂大学医学部を卒業し、下部消化管外科を専門とする外科医として臨床・研究に従事した。厚生労働省で治験推進や保険医療に関する行政業務に携わった後、順天堂大学で臨床研究・治験の推進に取り組み、2017年から現職。順天堂医院 臨床研究・治験センター副センター長を兼務している。

がん早期発見に残る「3つの空白」
日本人の約2人に1人が、生涯のうちにがんと診断されるといわれる。がんは早く見つかるほど治療の選択肢が広がるが、奥澤氏は早期発見には次の3つの”空白”が残っていると指摘した。
- 検診を受けていない人がいる:国が推奨する5つのがん検診でも、受診率は4〜5割にとどまる
- 検診の対象外のがんがある:膵がんなど、一般向けの検診が確立していないがんがある
- 精密検査を受けていない人がいる:大腸がんでは、「要精密検査」と判定された人の約3割が精密検査を受けていない

尿のmiRNAに着目したリキッドバイオプシー
講演の後半では、血液や尿などの体液から生体情報をとらえる「リキッドバイオプシー」について、最新の研究をもとに紹介があった。なかでも尿は、体への負担が小さく、自宅で採取でき、続けて検査しやすい検体だという。尿に含まれるmiRNA(マイクロRNA)を解析してがんのリスクを調べる研究は、国内外で進められている。

地域の薬局・薬剤師に期待される役割
座長の望月氏は、薬剤師の専門的な立場から、薬局が地域でがんの早期発見にどう関われるかについて意見を述べた。セミナーの締めくくりには、次の3つの視点が共有された。
- 今の検診だけでは届きにくい人に、受診のきっかけをつくる
- 自宅での検査を、必要な受診や精密検査につなげる
- がんで亡くなる方を一人でも減らす
bluedropと同社の今後の取り組み
講演の最後に奥澤氏が語った「がんで亡くなる患者さんを、一人でも減らしたい」という言葉について、同社はbluedropを届ける理由そのものだとしている。
bluedropは、自宅で採尿して送るだけで尿中miRNAをAIで解析し、7種類のがんのリスクを調べられる検査キット。身体的な負担が少なく手軽に検査できることから、自身の健康について考えるきっかけづくりをサポートするとしている。同社は、今の検診だけでは届きにくい人に受診のきっかけを届けることを目指している。
同社は今後も、地域の人にとって身近な医療の窓口である薬局・薬剤師と連携し、がんの早期発見をより身近なものにする取り組みを進めていく方針だ。