電解液を「なくす」技術の現在地をテーマにオンライン開催
ジャパンブランディング株式会社(本店:愛知県犬山市、代表取締役:前田雄吉)は、再生可能エネルギーの普及とともに導入が急拡大している「系統用蓄電池」をテーマにしたウェビナーを、2026年11月下旬にオンラインで開催します。同社は蓄電システムの企画・設計から運営までを手がけ、GUS Technology(格斯科技)蓄電池の日本総代理店を務めています。今回は、全固体電池が系統用蓄電池にどのような変化をもたらしうるのか、その実用化時期を含めて解説します。
危険物扱いの電解液が系統用途の制約に
現在主流のリチウムイオン電池には、液体の電解液が使われています。この電解液を固体に置き換えたものが全固体電池です。産業技術総合研究所の解説では、全固体リチウムイオン二次電池は温度変化に強く発火リスクが小さいという安全面の利点を持ちます。また、急速充電が可能でエネルギー密度も高いことから、車載用の開発が先行して進められています。
系統用蓄電池にとっては、電解液が消防法上の危険物に該当することが大きな制約となってきました。電解液そのものがなくなれば、屋外に設置する際の離隔距離や保有空地の確保など、危険物としての扱いを前提とした規制の一部が緩和される余地が生まれるかもしれないとされています。
実用化の目標時期は、各国でほぼ足並みがそろっています。中国のCATLは2027年の少量生産開始と2030年頃の量産開始を掲げ、韓国ではSamsungSDIが2027年、LGESが2030年の量産開始を目標としています。日本も、2030年頃の本格実用化を蓄電池産業戦略の目標に位置づけています。
ただし、量産技術の確立と固体電解質の供給体制の構築という課題が残っており、系統用途への展開は、車載用での量産効果によるコスト低減を経てからになる見通しです。同社は、系統用蓄電池への参入や投資を検討するうえで、この技術の現在地を正しく理解しておくことが欠かせないとして、今回のウェビナーを企画しました。
ウェビナーで取り上げる5つの論点
当日は、主に次のトピックについて解説が行われます。
- 電解液をなくすと何が変わるのか:温度変化に強く発火リスクが小さいという安全面の利点を整理し、電解液が消防法上の危険物に該当することを前提とした現行規制の枠組みが変わりうる可能性を解説
- 各国でほぼ同時に始まる実用化への動き:中国CATLの2027年少量生産・2030年量産、韓国SamsungSDIの2027年、LGESの2030年という目標、日本の2030年頃の本格実用化という位置づけ、欧州の研究開発プロジェクトの動きを比較
- まず車載用、その後に定置用という順番:エネルギー密度と急速充電性能がEV用途と相性がよい一方、定置用への展開は車載用の量産効果によるコスト低減を経てから本格化するという見通しを解説
- 20年運転を求められる制度と新技術の採用判断:長期脱炭素電源オークションのように20年間の運転が求められる制度のもとでは、長期の信頼性データが十分に蓄積されているかどうかが採用判断の材料として重視される点を取り上げる
- 残る課題は量産技術とコスト:量産化の技術課題と固体電解質の供給体制の構築、さらに現行リチウムイオン電池が2024年度時点で5.4万円/kWhという水準にある中、収益ラインの5万円/kWhをどう下回るかという論点を解説
開催概要
- 日時:2026年11月下旬 19:00~20:00(予定)
- 形式:オンライン(Zoom等ウェビナーツールを使用)
- 参加費:無料(事前登録制)
- 主催:ジャパンブランディング株式会社
- 申込方法:同社公式サイトの申込フォーム、または公式LINEから受け付け
同社代表取締役の前田雄吉氏は、1960年愛知県生まれ。慶応義塾大学法学部を卒業後、松下政経塾5期生として松下幸之助氏に直接師事し(高市早苗内閣総理大臣と同期)、ロータリー財団奨学生としてオーストラリア国立大学大学院に留学しました。2000年に衆議院議員に初当選して以後、3期10年にわたり脱炭素政策・エネルギー政策の推進に取り組み、衆議院決算行政監視委員会理事や安全保障委員会委員などを歴任しています。退任後は太陽光ゼネコンのウエストホールディングス株式会社の顧問を歴任し、同社が設立した一般社団法人全国太陽光発電推進協議会の最高顧問に就任。現在はモンゴル政府と協議のうえ、「日蒙未来創生プロジェクト」(70MWメガソーラー→400MWh蓄電所)を推進しています。
2016年06月設立、資本金1億1,000万円の同社は、今後もGUS Technology蓄電池の日本総代理店として、系統用蓄電池を軸とした電力インフラ事業について、制度や市場の動向を踏まえた情報発信を続ける方針です。本テーマに関するウェビナーや解説コンテンツの提供を通じて、事業者や投資家の意思決定を支援していくとしています。