花王株式会社(社長・長谷部佳宏)は2026年10月、橋梁や船底の塗り替えに使う塗膜剥離剤「PEEL CLEAR SA(ピールクリア エスエー)」を発売しました。水をベースにした剥離剤で、剥がしたい塗装面に塗って乾燥させると、古い塗膜を取り込みながら膜状になり、自然に剥がれます。機械で削り取る作業が要らず、剥がれた膜はそのまま回収できるため、塗膜を除去する作業の負担を軽くします。

人手不足の施工現場で求められる省力化
橋梁や船底には、さびや汚れが付くのを防ぐための塗装が施されています。定期的に塗り替える際には、まず古い塗膜を取り除かなければなりません。
しかし、従来の塗膜除去は作業者にかかる負担が大きいものでした。人手不足が進む施工現場では、作業の省力化や効率化につながる除去方法が求められています。
花王は、これまで培ってきた界面をコントロールする技術を活かし、2025年に剥離除去技術を開発しました(2025年12月1日に「自発的に剥がれて汚れを落とす『剥離除去技術』を開発」として発表)。今回の製品は、この技術を応用し、工業用途向けに商品化したものです。
製品の2つの特長
塗って乾かすだけで剥離から回収まで
塗装面に塗布して乾燥させると、古い塗膜を取り込んで膜状になり、自然に剥がれます。機械で削り取る方法では粉じん対策が必要になり、有機溶剤系の剥離剤ではやわらかくなった塗膜を集めて処理する手間がかかります。本製品はこうした作業を減らし、塗膜の剥離から回収までの負担を軽減します。
作業者に配慮した水ベースの設計
水をベースとした塗膜剥離剤であるため、従来の有機溶剤系の剥離剤と比べて、作業者が溶剤に触れたり吸い込んだりするリスクに配慮した設計となっています。
製品概要と今後の展開
- 製品名:PEEL CLEAR SA
- 用途:橋梁や船底における塗膜の除去
- 発売時期:2026年10月
- 販売地域:日本
花王は今後、橋梁や船底に加えて、塗膜の除去が必要な幅広い用途への展開を進めます。将来的には海外での販売も視野に入れて取り組む予定です。
同社のケミカル事業部門は、“精密界面制御技術”を強みに、油脂や高分子に関する豊富な研究知見を応用した多様な製品やソリューションを産業界に提供しています。身近な生活用品をはじめ、電子材料や農業、道路土木など幅広い領域で、産業界や社会の課題解決に取り組んでいます。