
小売チェーンの「2極化」で重みを増す本部商談
店頭情報を強みとするマーケティング専門会社の株式会社マックス リアライズ(本社:東京都中央区、代表取締役社長:澤地 正人)は、消費財メーカーを対象とした「セールスイネーブルメントサービス」の提供を始めた。メーカーと小売企業による「協働取組」を推進し、営業組織の強化につなげるサービスだ。
同社によると、メーカーと小売企業の関係は長く「取引」が中心だった。しかし「いかに売場で買ってもらうか」が問われる現在は、互いに協力し合う顧客共創の取組へと関係を深めることが欠かせなくなっている。同社が蓄積してきた過去10年間のフィールド活動データを比較・分析したところ、主要小売チェーンの店舗オペレーションに明確な「2極化」が生じている実態が明らかになった。個店ごとの現場交渉が売上に直接寄与する「店舗主導型」のチェーンがある一方、人手不足などを背景にオペレーションの標準化・効率化を進める「本部主導型」のチェーンが台頭しているという。
本部による一括管理が進むチェーンで全国に売場を展開するには、小売側の「店頭実現のしやすさ」や「本部企画の効果検証」まで配慮した「最初の本部商談における確実な合意形成」が不可欠だと同社はみる。ただ、本部商談での提案が高度になるにつれ、営業担当者が抱える準備やデータ分析の負荷は限界に達しつつある。そこで同社は、25年培った現場力と日々6,500店舗から得られる店頭ファクトデータを活用し、担当者の営業負荷を軽減しながら本部商談の決定力を引き上げるセールス支援ソリューションとして、今回のサービスを提供する。
組織の課題に合わせて選べる3つのプログラム
サービスは、営業組織のフェーズやリソースの状況に応じて選べる3つのプログラムで構成されている。
- 営業組織力強化プログラム:組織変革や営業力の底上げを図りたい企業向けのフルパッケージ。顧客と長期的な信頼関係を築く「アカウントマネジメント」を組織全体に根付かせることを目指し、組織全体での「マインドセット(顧客共創)」の共有から、営業担当者向けの「本部商談における提案手法」、合意後の「店頭実現」を高めるノウハウやデータ分析力まで、現場に必要なスキルを一気通貫で提供する。
- 本部商談・データ分析特化プログラム:「自社内にデータ分析のノウハウを蓄積したい」「データ分析を活用できる専門人材を社内で育成したい」という企業向け。データを駆使した本部商談に特化し、元バイヤーの視点から“小売企業が本当に求めている提案”のノウハウを実践形式で学ぶ。
- 分析代行プログラム:「POSデータなどはあるが、分析に割く時間や専任の担当者がいない」という企業向け。同社の専任データマネージャーが分析実務を代行し、併買分析や価格弾性値の導出など、強力なエビデンス(論理的根拠)を提供して重要商談の確度を引き上げる。
参考価格として示されている費用例は以下のとおり。実際には、企業の課題、受講人数、カスタマイズ範囲、分析ボリュームに応じて柔軟に対応するとしている。
- 営業組織力強化プログラム:年間420万円(40名受講・年6回実施の場合)
- 本部商談・データ分析特化プログラム:21万円(1テーマ・実働14時間想定の場合)
- 分析代行プログラム:45万円(1流通カテゴリーマネジメント分析・実働30時間想定の場合)
先行導入企業ではすでに成果
正式リリースに先立ち、一部を導入した企業ではすでに大きな成果が生まれているという。営業組織力強化プログラムと本部商談・データ分析特化プログラムを導入した大手ペットフード・食品メーカーでは、店舗やショッパーの理解に基づく客観的な提案が可能になり、営業組織全体の意識変革に確かな手ごたえを実感。継続的な成長を見据え、2年連続でプログラムを実施している。
分析代行と提案資料添削を活用した大手食品メーカーは、併買データから「自社提案の品揃えを行わないことによる店舗側の売り逃し(機会損失)」を定量的に示唆する資料へと改善した。過去に商談で導入が叶わなかった4企業において、平均2.3SKUの追加導入が決定している。
現場を知る講師陣と同社の基盤
プログラムを率いるのは、組織変革ファシリテーターで株式会社マーケティング研究協会顧問の谷 雅之氏と、マックス リアライズ デジタルソリューション シニアマネージャーの木暮 宜正氏。谷氏は同志社大学卒業後、ライオン株式会社で営業部門、マーケティング部門を経て組織変革プロジェクトに参画し、提案型営業スタイルの定着や、マーケティング部門と営業部門が一体となったブランド育成活動の構築、POSデータ・ID-POSデータを活用したPDCAサイクルの浸透に注力した。2016年にオフィスイオニックマネジメントを設立して独立し、営業スタイルやマネジメント、コミュニケーションの変革、協働取組の実現などを幅広い業界で実践的に支援している。共著に『消費財メーカー・卸売業・小売業のための 顧客づくり提案 実践ガイドブック』(2025年12月 学術研究出版)がある。木暮氏は食品流通業(卸・小売)に16年従事し、店長やバイヤーなどを幅広く経験。小売側のリアルな心理と、POS・ID-POSを用いた高度なデータ分析ノウハウを併せ持ち、小売バイヤーとしての知見を活かして商談現場ですぐに活かせる実践的なデータ分析・提案手法を提供している。
2000年9月設立のマックス リアライズは、25年以上にわたりフィールドマーケティング領域の最前線で実績を重ねてきた。全国1,300名超の自社ラウンダーと、日々6,500店舗から得られる店頭ファクトデータで構築した独自のフィールドプラットフォームを強みに、店頭集客から買物体験向上、売場最適化、営業強化(セールスイネーブルメント)まで、メーカーと小売企業の協働取組を一気通貫で支援している。