水循環システムを手がけるWOTA株式会社(本社:東京都中央区、代表取締役 兼 CEO:前田瑶介)は、大分県と「災害時の生活用水資機材の広域互助に関する協定」を結びました。災害時に被災していない自治体から被災自治体へ生活用水資機材を届ける、都道府県単位の相互支援体制を強化するための協定です。
今回の協定は、都道府県を単位とした広域互助プラットフォームづくりを進める取り組みの一つです。このプラットフォームを組織・運営するJWAD(Japan Water Association for Disaster)と都道府県が連携し、災害時の生活用水を確保する体制を整えます。

協定で定めた連携の中身
協定の目的は、災害時に避難所などで生活用水と衛生環境を確保できるよう、自治体同士が支え合う体制を整備することです。主な連携内容は次のとおりです。
- 災害時に、被災していない自治体から被災自治体へ生活用水資機材(「WOTA BOX」「WOSH」等)を提供
- 被災状況、生活用水資機材のニーズ、資機材の設置・運用・撤去スケジュールなどについて、関係者間で迅速に情報を共有
- 都道府県を軸に資機材を集約し、最適に配分
- 平時から訓練や事前分散配備などの体制を整備
- JWAD事務局を通じて自治体間の調整を支援
都道府県をハブに「発災から1週間以内」の支援を目指す
広域互助プラットフォームは、都道府県をハブとして資機材を集約・配備することで、全国規模で生活用水資機材を被災地へ迅速に届けられるようにする自治体間の相互支援の仕組みです。各市町村が分散して保有している資機材を平時から都道府県単位で把握・整理しておき、発災時には被災した都道府県へ集めます。水需要を把握したうえで最適に配分し、「発災から1週間以内」に必要な支援を届けることを目標としています。
平時からの事前分散配備や定期的な訓練、関係機関との連携によって初動対応力を高め、避難所や医療・福祉施設などでの生活用水の確保と衛生環境の維持を支える狙いです。プラットフォームの組織・運営は、全国的な広域互助体制の構築を目的に設立されたJWADが担っています。

令和8年熊本地震で機能した自治体間の連携
2026年7月28日に発生した熊本地震では、7月30日に熊本県から正式な要請があり、同日から避難所でシャワーの設置・運用が始まりました。プラットフォームを通じた自治体間の支援では、7月31日に徳島県内の6自治体から「WOTA BOX」8台が熊本に到着したのを皮切りに、全国の機材が次々と集められました。1週間で100台以上、累計では45自治体から計142台(「WOTA BOX」「WOSH」の合計)が集約され、8月5日には、その時点で行政から要請済みだった避難所の需要を概ねカバーできたといいます。
その後は避難所に加えて医療・福祉施設や保育施設なども対象となり、8月24日時点で累計88拠点・225台(「WOTA BOX」147台、「WOSH」78台)を配備し、応急給水と生活用水の支援が進められました。
大分県の応援派遣職員が八代市で運営実務を担う
最大約25,269戸が断水した熊本県八代市(国土交通省「令和8年熊本地震における上下水道の復旧見込みについて」令和8年8月17日時点)での支援には、大分県から派遣された応援職員も加わり、避難所などに設置された水循環型シャワー「WOTA BOX」の運用を支援しました。現地では入浴の予約管理や機器の管理、フィルター交換といった、被災した人々が継続して入浴できる環境を保つための実務を担い、八代市の入浴支援活動を支えました。

全国の都道府県と順次締結へ
WOTAはプラットフォームの全国展開に向けて、同様の協定を全国の都道府県と順次締結する予定です。これにより、国難級災害だけでなく、いつ・どこで起きるかわからない大規模災害にも迅速かつ柔軟に対応できる体制の構築を目指します。なお、国難級災害について土木学会は「国の国力を著しく毀損し、国民生活の水準を長期に低迷させうる力を持った巨大災害」と定義しています。
WOTAは2014年の創業以来、水資源の偏在・枯渇・汚染による諸問題の解決に向け、生活排水を再生して最大限有効活用する「小規模分散型水循環システム」と、それを実現する「水処理自律制御技術」を開発してきました。すでに2つの商品を上市し、災害時の断水下での応急的な水利用や公衆衛生の向上に寄与しているほか、日常的な水利用を実現する「家庭用水循環システム」を開発し、国内外の一部地域で給水を始めています。
出典:WOTA